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『我、汝との戦いを所望する。
大魔導士メラニーの弟子、リーゼ=アクステュートよ』
突然、石像が低い男の声で喋り出す。
「何故、私の真名を…!?」
「『アクステュート』って…まあ、良いや、とにかく、『決闘を受ける』って良いな」
クリスは状況の飲み込めないリーゼに指示を出す。
「大丈夫なの? 決闘を受けるって!?」
「このままじゃ、僕らが時間制限(タイムリミット)で殺されるんだよ!!」
「わ、わかったわよ…。
決闘を受けるわ!!」
クリスの剣幕に押し負け、リーゼは大声で石像に向かって叫んだ。
『では、決闘について、説明する。
我はこの塔の管理者、白狼族の王、『神白(シンパク)』だ。
リーゼ=アクステュート、貴様が如何に英知に優れ、勇気を持ち、十字騎士団の加護を受けられるか、試す。
今から、『白の間(ホワイトルーム)』に案内する。
同行者は必要か、必要なら名乗れ』
「リーゼ、耳塞いでて」
クリスは感情の無い表情で、リーゼに指示する。
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