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「何で私が耳塞がなきゃいけないのよ?」
クリスの意味の分からない要求に、反発するリーゼ。
「良いから、塞いで!!」
「わ、わかったわよ…。
塞げば良いんでしょ、塞げば」
何で今日会ったばかりの奴にここまで怒鳴られなきゃいけないのよ、と内心舌打ちをしつつ、リーゼは耳を塞ぐ。
「クリス=『』」
クリスは自らの名を名乗ると、リーゼの肩を叩き、準備完了だと合図する。
『では、決闘を始めよう』
神白の言葉と同時に2人の足元には真っ白な魔法陣が現れた。
「何コレ…! 転移魔法陣…!?」
リーゼが驚いたのも束の間、魔法陣は光を放ち、異空間へと2人を連れ去った。
ー『白の間』ー
リーゼがおそるおそる目を開けると、そこには何も無かった。
ただ、白い空間があるだけ。
まさに無。
横にいたクリスは何かブツブツと呟き、周りの様子など気にしていない。
「ねえ、何が始まるのよ?」
リーゼは至極当然の問いを投げかける。
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