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『聖獣を甘くみるなよ……』
「リーゼ、下がれ!」
クリスはリーゼを突き飛ばし、『青の巨剣』で神白の爪を受け止めた。
「まだ生きてたのか……!」
『確かに先程の雷は効いたがな……。
しかし、2人だけで立ち向かうとは、感嘆すべき勇気だな』
「なら、それに免じて退いてくれよ!」
『私は役目を放棄したりはしない』
クリスは地面に押し倒されながらも、負けじと神白を押し返す。
「クリス……!!
どうしよう、魔力はもう無くなっちゃったし……」
リーゼ本人は自覚していないが、彼女は極めて緊張しやすい体質だった。
当然、パニックになり、クリスが神白に押し潰されていくのをただ、見ている事しか出来なかった。
『終わりだな』
「……この……野郎!!」
神白は左前足でクリスの巨剣を押し潰し、右前足の爪を振り下ろそうとした。
しかし、それよりも先に、真っ白だった筈の空間に亀裂が入った。
亀裂はすぐに辺りへと広がり始める。
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