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「まさか……本当に形だけなの?」
「もちろん。 ティアはいつだって正直」
アンディはリーゼの頭から手を下ろすと、リーゼの手を引き、笑顔で言った。
「うちには3つのルールがあるんだ。
良い機会だから説明しておこう」
アンディの説明に黙って頷くリーゼ。
だんだん黒塗りの扉が近付いて来る。
「まず、ボスの命令は絶対。
これは当たり前の事だよね」
黒塗りの扉の前でリーゼとアンディを待っているのは、おそらく、この先の人生でリーゼが最も深く関わる人達。
「2つ目は仲間の喧嘩は全員で買う。
これはたまにあるからね、その時は覚悟しておいて」
口は悪いが、勇敢なクリス。
聖女のような博愛精神のシルフィ。
「最後はね、いたってシンプルだよ」
優しくアドバイスしてくれるアンディ。
やる気が無くて、謎の多いハジキ。
「夜御飯は皆で食べる。
これは絶対だよ、もちろん今日から、ね」
美しく、強く、気高い、ティア。
「……よし、今日は宴会だな!」
仲間達の笑顔に、涙が止まらなかった。
きっと、彼らとならどんな壁も乗り越えられる。
根拠は無いけれど、リーゼはそう思った。
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