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「あ・り・が・と・う!」
無性に腹が立ったので、リーゼはクリスの耳元で大声で叫んだ。
「うっわ、うるさいな……。
聞こえてるから、そんなに大声出すなよ」
「アンタが意地悪だからよ」
腕を組んで、顔を背けるリーゼに溜め息混じりに苦笑するクリス。
「……ま、でも、魔術師が仲間に加わったのは大きな収穫だよ。
これで、拳法家が仲間なら、理想的なパーティーなんだけどね……」
「私以外のメンバーは魔術が使えないんだっけ?
けど、薔薇の姉様は今日の戦いの時、魔術を……」
あの紅色の円形の閃光は、未だにリーゼの頭の中に強烈な印象を残していた。
「あれは……魔術じゃない」
「……なら、能力者?」
クリスは腕を組んで、しばらく考え込むと、再び口を開く。
「君も、世の中には3種類のタイプの人間がいるのは知っているよね?」
指を3本立てて、リーゼに問いかけるクリス。
もちろん、リーゼにとっても常識的な質問であった。
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