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「露店って一杯あるんだね……」
無事にサークル『流星』への入団を認められ、リーゼは一番常識的だと思われるシルフィと共に生活必需品の買い出しに来ていた。
王都『ホーリーガーデン』の城下。
数百種類の露店が並び、辺りは賑わいを見せている。
「……リーゼさんの来られた場所には、こういった場所は無かったんですか?」
「うん、小さな街だったからね……。
ねえ、あの大きなお城って……」
「『ホワイトキャッスル』、このギティル王国の王族が住んでいますよ。
残念ながら、この時期はイベントは無いので、しばらくは外にはいらっしゃられ無いと思います」
「そうなんだ……」
まだ若干、気を使い合っているものの、そこは同年代の女の子同士、早くも打ち解け始めていた。
「少し近くまで行ってみますか?」
リーゼの残念だという気持ちを察したのか、シルフィはそう提案した。
リーゼは驚いたような表情を浮かべたが、すぐに笑顔になり、頷く。
2人ははぐれないように手を繋ぎ、人混みをかき分けて、ホワイトキャッスルに向かって、歩き始めた。
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