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学校へ着いた時、3階にある龍之介のクラスは丁度ホームルームを行っている最中だった。
龍之介は外から体を窓に張り付かせ、中の話声に聞き耳を立てた。
「あいつ今日おせぇな、何やってんだよ」
「どうせ寝坊だろ(笑)」
(………ばーか……俺は死んだよ……)
どうやらまだ学校に知らされていない様で、友人はいつもと変わらぬ調子で話を続けた。
「つーか昨日のあいつ最高だったよな!」
「本当、本当、いきなり授業中あんな事すんだもん……」
(あぁアレの事か、あの時はクラス中大ウケだったな、けどもぅ……)
そんな中教室の内線の音が鳴り響いた、担任が受話器を手に取り耳にかざすと、みるみる顔が青ざめていった。
そして受話器を戻した。教卓に両の手の平を置き、少し前かがみの状態になると静かにこう言った。
「みんな、これから言うことはよく落ち着いて聞いて欲しい」
担任が一呼吸、間を空けるとそのただならぬ雰囲気に、クラスの皆は押し黙ってしまった。
「……今朝龍之介が交通事故で亡くなったそうだ」
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