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不思議と悲しくなかった、とにかく俺はこの場から離れたかった。
(そうだ、あの交差点にいってみよう)
宙に浮くこの『体』は意外と便利だった。壁は通り抜けれるし空は飛べるし疲れない。
死んだ時の服装なのか、龍之介は学校の制服を着ていた。
(これ案外楽しいかも‥‥‥)
死んだショックを紛らわす為かもしれないが、この状況を少し楽しんでいた。
(んな事言ってる場合じゃねぇんだよ、死んでんだからもっとこうシリアスにいきたい)
龍之介は少しわざとらしく肩を落とし、飛んでいった。
あの交差点に着くと、凄い人だかりが出来ていた。
(うおっ、人すごっ
まぁ人が一人死んでるしな、あんだけでかいトラックも止まってるし)
見ると何人か警察から事情聴取を受けていた。おそらく目撃者だろう。
(ちょっと行ってみようかな)
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