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チッチッチッ…
暗がりの中、時計の針が音をたてながら時を刻む。
俺、高橋ななは、寝苦しい夜を過ごしていた。
「う~…ん…zZ」
モゾッと寝返りを打てば、狭いシングルベットが2人分の重さを受けてギシリと軋んだ。
…ん?
2人分…?
「…~///…りつ兄ーーっ!!!」
俺はプルプルと震えながら隣で寝ている塊に叫んだ。
すると、隣で寝ていた塊が目をガシガシと擦りながら起きた。
「う~ん…何さ~…ななちゃん」
「何さじゃないわ!なんでりつ兄が隣で寝てんのさ!」
りつ兄は、少し長めの茶色い髪の毛をかき上げながら眠そうに答えた。
「何でって…ななちゃんが一人で寝苦しそうにしてたから、お兄が添い寝してあげようかと…」
「寝苦しそうにしてるんなら、空調つけて、そっとしといてくれよ…」
俺はハァと溜め息を吐いた。
りつ兄はそんな俺を気にも留めず、またモソモソと寝床に入った。
「りつ兄ぃ~自分の部屋で寝なよ~…」
「ななちゃんの体温を感じながら寝たい…」
「…な…///」
りつ兄は俺の腰に腕を回しながら寝息をたて始めた。
仕方ないから、俺も布団に潜り込んで寝た。
こうして、俺の夜は更けていった。
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