ななちゃんの苦悩

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学校に着くと、俺達はバイバイと昇降口で別れた。 俺は1-B。 りつ兄は3-D。 上条高校は5階建ての至って普通の公立高校。 1年生は1階。 3年生は3階だ。 だから、プチ遠距離となる。…って、何故りつ兄と離れることが『遠距離』と認識されてしまうのかは分からない…。 そんなことを考えながら廊下を歩いていると、後ろからドドドド…っと、何かが走って来た。 ドーン! 「わぁ!?」 俺は勢い良く吹っ飛ばされた。 そんな俺に、少し焦りながら体当たりしてきた張本人が近付いてきた。 「なな~!お前吹っ飛ばされ過ぎ!あんなので吹っ飛ばされてたら、体育のアメフトどうすんだよ!」 「永江(ナガエ)…痛ぇ…膝擦った」 「うっそ!?んじゃ、今から保健室行くか!」 「良い。朝からエタノールの匂いなんか嗅ぎたくない」 「あはっ。確かにな♪」 「つかお前、謝るとかしないわけ?」 「んぁ?別に、いつもやってる事だし、良いかな~って」 「はぁ…」 俺は擦った膝を気にしつつ、教室まで歩き始めた。
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