戦闘員の事情

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その怪人ダンバラデッパリーの指は間違いなく俺を指していた。   ちょっと待て、と。 俺はまだここの人間じゃない…と言うが早いか、怪人ヤショクヤキトリーは俺に殴りかかってきた。   「ちょっ!待って!うそっ?!」   俺が闇雲に振り上げた手は怪人トナリチョットイイーの顎に直撃、やつは膝から崩れ落ちた。   「…、君、採用で。」   ………なんか知らんが採用された。 面接官の、どこかの東宝映画に出てくる怪獣を見るようなキラキラした眼差しを俺は忘れないだろう…。 一週間ぐらいは。     俺は怪人Dr.タラコに改造手術を受けた。 今日から俺の名前は戦闘員C…。 Cが欠番だったらしい。 なんか寿退社したとか…。   …どうでもいいが。   「おい!なんか、怪人エノキリンギ様が街を襲いに行くらしいぜ!ちょっとついて行かね?」   俺が秘密基地の喫煙所で煙草吸ってたら、同期の戦闘員Pが誘ってきた。 エノキリンギ…、見たことはないが間違いなくキノコの怪人なんだろうな。 俺は初襲撃がキノコと一緒、という切なさを噛みしめながら街に向かった。
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