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その後も大西さんは お店へ通ってくれた。
指名して私の為に お金を使ってくれる。
でも 大西さんの本当の姿を見る日は 突然やってきた。
それは 私の指名が6本もかぶってしまった日。
6本かぶるという事は 指名をくれているテーブルに 10分弱しかつけないという事。
短い移動時間に マネージャーが言う。
『梳羅。
客の呼び方 考えろ』
私は 呼んだ覚えなんかないし こんな事は予想外だ。
イラついた私は マネージャーを睨み付けて口を開く。
『もぅ 場内指名は断ってください』
そして 大西さんのテーブルにつく。
時間前で延長の交渉をしなければならない。
でも この時の私は【早く 帰らないかな 】とか考えていたんだ。
『大西さん。
全然 一緒に居れなくてごめんね』
私が言うと大西さんは無言で私を見た。
今までに見た事ない目…。
直感的に ヤバいって思った。
そして初めて 大西さんを怖いと思った。
『梳羅…。
延長するよ。
だから この後 一晩 俺と居てよ』
私だって バカじゃないから その言葉の意味が分からないわけじゃない。
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