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ドンドンドンドン!
「テール! 今開けるからね!」
開いた事の無い金属の扉が乱暴に叩かれ、彼の声がする。
「私の所に来てるの?」
嬉しくて、驚いて、戸惑って…今までこんなに複雑な、色んな気持ちが混ざった事はなかった。
ドンドンと乱暴殴り続け、金属の扉が歪んだ。その歪みに指を捩込み、力が込められた。
ギ、ギ、ギ、と軋む様な音を立てて少しずつ扉が開いて行く。
「私が、貴方の探している人なの」
「そうだよ。今開けてあげるからね!」
こじ開けようと、顔を歪ませ、指も真っ赤になりながら、それでも笑顔を浮かべてくれた。
はたと気付いて、同じ様に扉を開けるのを手伝った。
多分、あまり役には立ってない。
でも、少しでも早く人に触れたい。温もりを感じたい。
ようやく彼が出入り出来る位まで開いた。
彼は中肉よりややがっちりした体型の、20半ば位だ。茶色の瞳と、黒く半端に伸びた髪がうっとうしそうだった。
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