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現代からどれ程時を重ねただろう。
科学が著しく発展し、石油代替エネルギーのエネルギー発生効率が石油を超えた時代となった。
それにより生活がより便利になった、そんな世界。
火星の移住から始まる宇宙開発も、後一歩で実現へ向かう所まで科学は進んでいた。
しかし、十年前の出来事から廃止を余儀無くされる。
そして、新たな問題が人類を襲う様になる。
ある事件が原因で、科学の大半をかなぐり捨てて地下での資源もエネルギーも限られた生活を余儀なくされた為だ。
増える人口、繋がらない世界、食料問題……。数々の難問が出来た。
そのため、子供達がしっかりとした教育を受けれらるようになったのは、問題が比較的解決し始めてきた六年前からだ。
彼が十六歳になった今、必修に指定された学習は完了した。
しかし彼を始めとした若者達は、これから職に就く為の努力をせねばならない時である。
今は職に就く為にやらなければいけない事が沢山ある。
しかしそんなある日、彼の友人……ヴァイが言った。
「ライト、地上を見てみようぜ!」
彼は唐突に、しかも冗談かと思わせる事を言った。
だが、ライトの心の中では話を聞いた時から答えは決まっていた。
「ああ、いいぜ!」
ライトは、二つ返事で答えた。
彼の……雲で無い何かが空に広がり、そして雲が覆い尽くした幼き頃に見た空を忘れられない少年・ライトは、地上を夢見ていたからだ。
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