第一話 黒雲の大地

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ひたすら上へ掘り進めているライトの顔が、苦悶の表情になる。 固い土に苦戦しているのだ。 普通の作業ではあまり進まない。ブースターを吹かして地面に与える衝撃を増やして少しでも採掘速度を上げ、工程を完了しようと必死だ。 『ライト~。今どれ位だ?』 トランシーバーからヴァイの声が響く。 ライトは運転席に設置されたの検深計を見た。 「今は地上から五十七メートルのところ。……お!柔らかくなってきた!」 「じゃ、早く頼むぜ。そろそろ暇だ!」 「分かった!」 作業開始から一時間半位が経過していた。 今の所は誰にも感づかれず、穴を掘れていた。 ドリルで土を掘り、ドリル先端のアームで土をどかして新たな足場を作り、穴を掘っている。 ジグザグに伸びる縦穴は、確実に地上へ向かっている。 地質が柔らかくなった為、ライトの作業も効率化し更に進む速度が速くなる。 「後少し、後少し」 次々と数字を小さくしていく目盛りを見つめながら、ライトは言った。 彼が気がつくと検深計は二メートルと表示している。 そして、掘削機は天井を破った! 「やった!地上だ!!」 しかし、地上の風景は完全にライトを裏切った。 「な、なんだこれ……!」 太陽は黒雲に隠れ、夜のように暗い。 そして、人型ロボットと生々しい異常生物との戦いが繰り広げられていた。image=351776233.jpg
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