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学校の校門辺りに、偶然にも翡波はいた
本を読みながら、ゆっくりと歩を進めている
いつもいつも危ないからヤメロと言っているのに聞く耳をもたないのだ
まぁ事実、翡波はあんなことをしていても転ばないしつまづきもしない
足に目があるんじゃないかと話したこともあるぐらいだ
朝音は夏祈と共に、そんな通学中の翡波に声をかけた
「翡波ー!おはよー」
自分の背後から突然かかった呼び声に、翡波はピタっと足をとめる
そして、おそらく走ってくるであろう人物達を思いつつ振り返った
そこには案の定、幼馴染みの二人がいる
息を乱した二人に、翡波は軽く嘆息した
「翡波!夢見てない!?」
「は?」
急に呼び掛けられ急に質問され、意味の分からない翡波
頭にハテナを浮かべていると夏祈が分かりやすく言った
「翡波、最近変な夢見てない?」
朝音達が何を言いたいのかがやっと分かり、翡波はこくりと頷く
「名前を呼べとか言ってくる夢のことか」
翡波の返答に朝音達はやっぱりと呟いた
「やっぱり…?お前らも見たのか」
「うん。あの男に会ってから毎日…日に日にはっきり聞こえるようになってきてる…」
「とりあえず、家来い」
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