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目の前に現れた金の宿神凰蓮。
人外のものであるその神々しさに、朝音は目を奪われた
自身を見つめたまま微動だにしない朝音に、凰蓮は眉を潜めた
「どうした宿主。」
放たれた声に引き戻され、朝音が慌てる
「あっなんでもないの。気にしないで!」
不思議な程の慌てぶりだが、凰蓮は追求しようとはしなかった
「では宿主。我との契約の証を」
「契約の証…?」
繰り返すと、凰蓮はコクリと頷く
「深崎朝音。我虎西の宿神はお前に絶対の忠誠を誓う。契約が破棄されしその時まで、剣となり盾となる役目を負い、この身全てを主に捧げん…」
言葉が止まると、それに次ぐように光球が現れた
金の球は、凰蓮のもとを離れ朝音の前に移動する
「触れるがいい。それは宿神と宿主との契約の証、神具(サーデ)だ。宿神が現実に姿を表すための道を開く鍵であり、騎士が戦う武器。」
朝音は言われたとうりに光球に触れた
眩い光を放ちながら球は形を変えていく
光が収まったときに朝音の手にあったのは、白銀に輝く扇子だ
だが、普通のものとは違い鋼のように硬い
「これがサーデ…」
朝音の呟きに首を縦に振り凰蓮は肯定の意を告げる
力を求めた朝音
私は、戦う…―。
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