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目を覚ますと、外は完全に暗闇に覆われていた
時計には、3:15分
どうやらあのまま眠ってしまったらしい
側には夏祈と翡波がいた
二人とも疲れきった表情で眠っている
ずっと付いていてくれたのだろう
朝音はふと手に握っているものがあることに気付いた
それは、先程手に入れた凰蓮との契約の証であるサーデ
純白の扇子だ
夢ではないことを実感し、静かに笑う
これで、戦える
翡波を
夏祈を
家族を
そして、世界を
守ることができる
「私は、戦う…」
守るためには、戦うしか
ないから
そのとき、翡波がムクリと起き上がった
「ん…起きたか、朝音…」
軽く目を擦りつつ欠伸をする翡波
いつもの翡波では有り得ない顔だ
なんというか…
「かわいっ…!」
勢いよく朝音は翡波に抱きつく
「うっ…わ!」
急な事に支えきれず、翡波は朝音ごと後ろ向きに倒れこんだ
ズダン!と大きな音が響く
衝撃に備えて目を閉じていた朝音は、いつまでも痛みがこないことに気付く
うっすらと目を開けると、すぐ近くに翡波の顔があった
切長の瞳が朝音を見る
どくん、と
心臓が大きく跳ねた
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