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固まってしまった朝音を、翡波は軽くたしなめる
「お前、急に飛び付くとか有り得ないだろ。おかげでまともに全身強打。てか、早く退け。」
自分が今翡波の上に乗っていると朝音は漸く気が付いた
翡波が飛び付いた自分を受けとめてくれたのだ
軽弾みな行動だったと反省する
「ゴメン翡波!重かったよね!」
朝音は急いで床に移り、倒れた翡波の右腕を引っ張った
翡波は頭を摩りながら言葉を返す
「いや、それはいい。お前は平気か?」
体を打ち付けたのは翡波だというのに、自分を心配してくれている
何故か、翡波の顔を直視できない
「へ…平気っ!ありがと」
どこか慌てるような仕草をみせる朝音を不思議に思いつつ、翡波は立ち上がった
「ならいい。俺は下におりる。」
「どうして?居ればいいよ?」
ハテナの浮かぶ頭を傾げて朝音は問う
ここは翡波の部屋だ
なのにどうして下に行くのだろうか
「馬鹿だな。お前ら二人は此処で寝ろ。俺は下の客間で寝る。」
翡波の言っていることをようやく理解し、朝音は素直に頷いた
「わかった。ありがと翡波」
「いや。」
一言返し、翡波は部屋を去っていった
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