目覚めを迎えた神

7/14
前へ
/51ページ
次へ
朝八時。目が覚めた朝音は、下へと降りた 夏祈は部屋にはおらず、翡波は下の客間だ 居間に入ると、そこには一足早く来ていたらしい夏祈と翡波がいる 二人は朝音を見つけ手招きをした 朝音は座っている二人の向かいに腰掛ける 翡波のそばに行くのはきまずい だが、断るわけにもいかなかった 「おはよう朝音。もう平気?」 心配そうに問掛ける夏祈に、朝音は微笑んだ 「うん。平気。宿神が覚醒したからかな、体も軽いし」 その朝音の言葉に、翡波と夏祈は目を見開いて驚いた 「宿神が覚醒!?ホントなの!?」 詰め寄ってくる夏祈が、恐い… 朝音は引きつった表情で答える 「う…うん。昨日…ね」 「だから馬鹿みたいに寝てたのか」 カチンとくる飯草 犯人はやはり翡波だ 彼は楽しそうに笑っている 「違う!」 「ドコが?」 「夢の中で宿神と会ってたの!」 翡波は意地の悪い微笑みを張り付け、朝音にいった 「それは結局寝ていたんだ」 「うっ…」 違いない どうして翡波はいつもいつもこうなのだろう 常に正しく、正確な指摘をする 確に間違ってはいないのだが、腹が立つ… 「ムカつく…」 でも…。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加