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キャンプ場には、休みが近いからか家族連れが多くいた
場所を確保して遊んでいる子供
それを見ている両親
実に微笑ましいものである
「翡ー波、テントどこ立てるのー?」
一番楽しそうにしている夏祈は、食料を持って先さき進んでいた
テント一式を運ぶ翡波は多少遅れてついてくる
朝音は皆の荷物持ちだ
「その辺でいいだろ。夏祈、食料置いて朝音を手伝え。」
「え、いいよ。持てる持てる!」
夏祈は担当荷物をキチンと運んだのだ
自分の担当まで手伝ってもらうのは悪い
「わかったーそっち行くねー。」
さくっと朝音の意見は無視された
やっぱり聞いてはくれないんですね
走ってきた夏祈に一つだけリュックをもってもらう
今だ申し訳なさそうにしていると、翡波の手が頭に乗った
「今更俺らの間に気づかいなんていらない。何年一緒だと思ってる。」
「翡波…」
翡波とは親同士が大学からの付き合いらしく産まれたときから一緒だ
幼稚園小学校中学
そして今
夏祈は幼稚園の時に転入してきて以来
でも、翡波に抱く感情は夏祈とは違う
翡波に触れられたところが熱い
それが全身に広がる
少しずつ
彼にはまっているような、気がした
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