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「好きかどうかなんて分かんないよ。」
ずっと一緒で
喧嘩したこともなくて
なんでも話すことができた翡波
昔からかっこよくて
おとなしくて、クールで
自分が共にいることがおかしいくらいの好青年
ムカつくことを言われても
やっぱりどこか優しくて
嫌いなところなんて一つもない
私は…
「私は多分、翡波が好き。嫌いなとこなんて、見付からないし…」
笑って答えた朝音をみて、夏祈は微笑む
野菜を切っていた手を止めて、小さく言った
「私も、好きかも。」
その呟きを、朝音の耳はしっかりと捉えた
夏祈も翡波が、好き…?
嘘…
朝音の顔が青ざめていく
それを見て夏祈はクスリと笑った
「うそだって何今の顔!青いし…!」
「嘘って…!ひどっ!」
あまりにも真剣な顔だったから信じてしまったではないか
「大丈夫だって。私はあんなのじゃ満足しないから」
翡波よりも上を狙っているんだ…
なかなかいないんじゃなかろうか
「だから朝音は翡波を捕まえなよ?私応援するから!」
明るい夏祈の笑顔
頑張ろうと
心から思った
「うん!ありがと!」
すでに、世界が崩壊を始めているとも知らずに…
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