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ある昼下がり
屋上に一人の少女がたたずんでいた
茶色がかった黒のセミロングに、空を見つめる紅の瞳
現在柊高校一年生、深崎朝音だ
見るからに小動物というイメージを持つ朝音は、誰からも好かれる人気者である
何故そんな人気者が一人で屋上に居るのか
それは、待ち合わせをしているからだった
「遅いなぁ二人共。」
すでに一年生は午前授業を終えているから、ここに来るのはそろそろのはずなのだが。
朝音は軽く溜め息をつき、フェンスにもたれかかった
「お腹空いたじゃんよ…」
ボソリと呟いた声は誰にも拾われる事なく風に消える
先に食べながら待っていようとしてその場に座り込んだそのとき
ガチャリと、扉が開く音がした
朝音が顔を向けると、待ち望んでいた二人の姿が見える
「翡波!夏祈!」
待ってましたと言わんばかりに名を呼ばれ、二人は眉を八の字に曲げた
「はいはい。遅くなって悪かったな。」
「職員室に呼ばれててね」
順に言葉を告げ、朝音の側に腰かける
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