3人が本棚に入れています
本棚に追加
三人の視線が一気に水面に注がれる
翡波が朝音と夏祈を蒲うように前にでた
水面の波は時をおう事に大きく、強く波打つ
朝音の頭に警鐘が響いた
今すぐ離れろと、何かが告げている
でなければ取り返しがつかなくなると
「翡波、夏祈!今すぐ逃げて!」
急な朝音の叫びに、翡波の動きがとまる
夏祈は数歩下がり、翡波と朝音を見つめていた
「お前はどうする気だ!」
「私は…」
―宿主、戦うのだ
戦う…
―お前は何のために我を欲した。
守るため
―ならば今、奴らを守るのだ
「私は、二人を守る。」
そのとき、突如水柱が立ち上った
辺りに飛沫が飛び、水びたしになる
何かが…来る!
「早く行って!早く!」
だが、忠告は遅かった
水から現れた何かが翡波に絡み付く
「なっ…」
驚くヒマもなく、翡波は湖に引きずり込まれた
「翡波!」
朝音の声を水音がかきけす
―我を出せ!早く助けねばあの男、手遅れになるぞ!
凰蓮の言葉に朝音は動揺した
翡波!
「そんなのダメ!」
朝音の体を光が包む
瞬きひとつして、凰蓮が妖笑を称えて現れた
背に煌めく大刀に手をかけ、軽々と引き抜く
「宿主、サーデを」
言われるがまま、朝音はポケットから扇子を取り出した
最初のコメントを投稿しよう!