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朝音が扇子を広げた瞬間、大きさが身の丈程に変わる
しかし、以外にも重さは変わらなかった
「重く、ない」
「お前の武器だ。負担になることはない。」
顕現した凰蓮は、狭間の世界に居たときよりも輝いて見える
そんな凰蓮に、夏祈は目を見開いて驚愕していた
夏祈に声をかけようとしたが、凰蓮がそれを拒んだ
「今はあの男を助けるのが先だろう。」
朝音はハッと思い直し、凰蓮の横から湖を見据えた
水柱は収まらず、今だ渦を巻いている
「凰蓮。これは何…」
「これは、宿神の力。我と位を同じとする神…」
いぶかしげに眉を寄せて、意味が分からないと言いたげな凰蓮
彼自身詳しくは分からないのだと、朝音は思った
「行くぞ宿主。なんにせよ、男を助けるためにはこの力を打ち破らねば。」
「分かった。でも、どうすれば?」
凰蓮は朝音の扇子を指差し、告げる
「宿主自身が戦うのはまだ早い。我が戦う。宿主はサーデに思いを込めればいい。」
朝音はコクリと頷き、凰蓮の後ろに下がった
「行くぞ、宿主」
「うん」
朝音は目を閉じ、ただ祈った
翡波を助けたい
夏祈を守りたい、と
すると、凰蓮の大刀が妖しく発光した
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