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「まったくあゆは…。アタシのどこが汚いっていうのよ!見た目はモチロン、性格だって清楚で優しいし、輝って名前からして美しいじゃないの!」
「…そういうとこがだよ」
オーバーな身ぶり手ぶりを加えながら、輝は訴える。
その言い分は冗談にしてもウザかったので、私は的確な最低限の言葉のみを返した。
…そうこうしてる間に購買に到着。
「…でもさ、本当1年早かったわね」
「そうだねぇ。つーかまた輝とクラス一緒だし」
「何よ。嬉しいでしょ?」
「別にぃ」
「嬉しいくせにー」
「…まぁ今年は仲良くしてやってもいい」
「“今年は”って何よ。はい」
いつのまにか自販機で私の分まで買い終えた輝が差し出したのは、私の好きなメーカーの紅茶。
…こう言うさりげないところが、全くオカマにしとくのが勿体ない。
「…人の飲みもの勝手に決めないでくれる」
「はぁ!?せっかく今年もよろしく記念におごってやったのに、その言い種!」
「オゴリなら貰っとく。ありがと」
「…最初から素直にそう言いなさいよ、まったく」
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