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やっぱり可愛くなくしか言えない私が、悪態をつきながらも、これでも勇気を振り絞って言った感謝の言葉に、輝は子供にするみたいに頭を撫でた。
ついでに指先を滑らせて、下ろしただけの私の髪をとく。
輝は私の髪の感触を確かめるように、よくこうしていた。
私と輝にとってはいつものことなのだが、はたから見たらイチャついた光景かもしれない。
男子高生が、女子高生の髪を、恍惚と微笑みながら触れているのだから。
「わ…ッ」
「っ!」
そこへ丁度よくやって来た、1年の女子ふたり。
見事に勘違いして、少し頬を染めながら気まづそうにしている。
「自販機、使う?」
「あッ、ハイ…」
「ゴメンね。邪魔して」
「ぃ、いえ…!」
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