あゆと輝

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そうやって指摘されると、途端に恥ずかしくなってくる。 でも、からかわれて照れた顔なんて絶対見られたくなくて、私は覗き込んでくる輝のイタズラな顔を必死に押し退けていた。 そんな攻防をひとしきり終えると、抵抗し疲れた私の頭上に、なんとも明朗な声が降りかかった。 「いいじゃない。別に誰がどう思っても。アタシは大好きな子と手繋ぎたいの。…あゆはイヤ?」 名前に違わぬ眩しい笑顔で、輝は言う。 そしてまた私の手を取って歩き出した。 「…輝は、可愛い後輩たちに誤解されてもいいの?」 「誤解なんてどうでもいいわ。真実はいつも1つよ」 「何ソレ。パクリ?」 手を引かれる斜め後ろから見上げると、綺麗な顎のラインを動かし、視線を絡ませないまま輝はキッパリと断言した。 その台詞に思い浮かべたのは有名な名探偵。 私が笑いながら言うと、輝もアタシも思った、と一緒に笑った。
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