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あたしとアキは友達のまま、アキは最後の、あたしは二回目の桜並木を下っている。
「アキ先輩は大学に進学?」
「ん~、行きたい大学が無いからなぁ。それに今まで大学受験の勉強もしてないから、今更大学行きたいって言っても時既に遅しだろうね」
大きく背伸びをしながらアキが答える。
あたしはアキの言葉を聞き「よかった」とホッと小さな溜息をついた。
あたし達の地元に大学は無い。
一番近い大学でも隣りの県で、ここから通うには無理があった。
だからもしもアキが大学進学の道に進んでいたら、アキが高校を卒業したあと街で偶然会うこともなく、あたしの高校生活はある意味終わりを迎えることとなっただろう。
だけど大学には行かないことで、あたし達の繋がりが完全に切れることはなくなったのだ。
「ゆん」
「何?」
「ゆん」
「だからなぁに?」
「ゆん」
「……」
嬉しい癖にあたしは意地悪くアキの言葉を無視した。
いつもなら『好きだよ』で終わる言葉遊び。
今日もそれで終わると思っていた。
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