最初の標的

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  【序章】   「あれから7年……長かった」  水城隼人(みずき はやと)は電車の中から流れてゆく景色を眺めながらぽつりとつぶやいた。外には太陽の光が反射してまるで宝石のように輝いている海が広がっている。  それを見て、隼人は思わず鼻で笑った。    隼人はこの7年間、明るい太陽の下で生きることなんてできなかった。  「あの日」から毎日 復讐だけを考え、ありとあらゆる考えを巡らせた。その間、隼人の心が晴れたことなど一度もない。 常に7年前のまま……あの豪雨の日のまま、晴れたことなんて一度もない。    だが7年という長い時を経て、ようやく晴れる日が近づいてきたのかもしれない。自分の人生の歯車が狂い始めたあの日にケリをつけられる日が……。
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