霧霞靄

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この日は霧か霞かがとても出ていた。   朝の日差しがでる頃辺りは白く包まれた。   明るくなった道路を自転車で走る 湿った空気を吸いながら、やけに静かな道を走った。   すっと現れすっと消える人影   蜘蛛の巣は罠の機能を失い、美しいアートと化す。   猫は顔をしきりに洗い、服は湿り気を帯びる。       そんな中変わらない者がいた。 黒いスーツ達は毎朝と同じように、 明日もきっと同じように、 みんなスーツが同じように、   駅についたらまるで夢か幻だったと思いたくなる程靄は晴れて服は暖かい空気を通し始めた。
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