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「どうするんだ?」
大成は焦って聞いた。
「人質にとる?最初からそんなことはしようとなんかしてないさ」
ライントンは微笑んだ。
「これを使う」
そう言って胸ポケットから無線を取り出した。
ワンは拡声器を使ってもう一押しした。
「五分後に完全武装したチームを送り込む。銃は効かないぞ!そして四階に送り込んだら射殺を余儀なくする!出てくるなら今のうちだぞ!」
「さすがだな。侵入者もこれで出てくるだろう」
ヤンエグがそう言うとワンは紳士的にお辞儀をした。
「でも出てこなかった場合、本当に殺すのか?」
ウォンがそう言ったが、すかさずワンが睨みを利かした。
「あなたは黙っていろ。誰のせいでこうなったと思っているんだ?この事件が終わったらあなたの処分も考えないといけないな」
ウォンの顔が青ざめた。
しかしそんなことお構いなしにしているワンの無線がなった。
「こちらワン。どうした?」
「家の北西を張っているチームですが、家から二名屋根の上に昇っているのを発見しました。どうやら警備の薄い北東を狙って逃げ出そうとしてるようです。私たちに応援の許可を下さい」
ワンはヤンエグの方を見て、
「どうします?」
と言った。
ヤンエグは頷いた。
「わかった!北西のチームに命令を降す!直ちに北東のチームを応援しろ!」
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