奪還

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「よし行ったな・・・」 大成とライントンは屋根には昇ってはいなかった。 二人は北西のチームがいなくなっていくのを見ながら準備に取り掛かっていた。 大成は拳銃を壁に向けて耳を塞いだ。 「うまくやれよ」 ライントンは言った。 大成は残りの銃弾を全て使い果たし、壁を撃った。 「これを壊すぞ」 ライントンが近くにあった椅子を持ち、銃弾後箇所をたたき付けた。 ワンが言った五分のうち三分が過ぎようとしていた。 ライントンが壁を壊すのに夢中になっている間、大成はたくさんある個室の一つを開けた。 一つ確認すると、また別の部屋を開けた。 「逃げるぞ」 ライントンは壁に穴を開けて悠々としていた。 しかし大成からの返事がこない。 振り返ると部屋を調べている大成が目に入った。 「何してるんだ」 「京美がいるかもしれない」 「諦めろ」 「小説の話しをして諦めるなと俺に言ったのは誰だ?」 「あれは勇気付けるために言ったことだ。いいか、あの小説の主人公は女神様から時間をもらったが、結局一位にはなれなかったんだ。なんでかって?時間をもらったところでその主人公に力がなかったのさ・・・今のおれたちと一緒さ」 ライントンは早口で答えた。 「あと一分だ。早くしろ」 しかし大成は部屋を探すのをやめない。 「早く来いよ!」 ライントンは大成を引っ張るが、大成は振りほどいた。 「京美・・・」 つぶやきながら大成はまた別の部屋を探した。
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