ペクチョ村

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「侵入者一名確保、引き続きもう一人の確保をしてください」 手錠をかけられた大成は乱暴に扱われながら、下に下りた。 ゆっくりと下へ流れる螺旋階段が大成の気持ちを物語っていた。 将軍の家を出ると庭にはたくさんの車が止まっていた。 そして首脳陣と思われるところに連れてかれた。 「アメリカ人の方じゃないな」 ヤンエグが言った。 「お前は!」 ウォンが驚いた。 「知り合いか?」 ワンが聞いた。 「まあ、ちょっとな・・・」 「ちょうどいい、こいつが何の目的で侵入したのか聞き出せ、ついでに共犯の逃げた先もな」 「こいつは日本人だ!」 「韓国語は?」 「しゃべれないはずだ」 「しゃべれるよ」 全員が大成の方を向き、ワンが聞き出そうとした。 大成はしゃがませられた。ワンが大成の側に来て顔を近づけた。 「お前はどんなことをしようと死刑台は免れない。ただお前の相棒はお前をおいて一人逃げたんだ。どうだ?憎いだろ?」 大成はライントンのことは何とも思っていなかった。京美が取り返せなかった今、他のことは大成にとってどうでもよいことであったからだ。 「我々に協力すれば拷問など受けないで楽に死なせることも出来るんだ」 ワンは普段の無表情な顔から最大限の笑顔を作っているらしく、強張っていた。 「さあ吐くんだ」 ワンは優しく言った。 大成は唾を吐いた。 ワンはキレておもいっきり大成の顔を殴った。 「吐け!!」
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