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リーが拘留所の外に出た。
彼女の顔は信じられないくらい暗かった。
大成の極刑を免れない事実だけが心の中に残っていた。
市外にあるため、しばらく歩かなければならないのでリーはうつむいて、足を踏み出した。
「ここに来たかったなら、連絡所から連絡してくれればよかったのに・・・」
リーは顔をあげた。
前からワンが歩み寄ってきた。
「私の権限で好きなだけ犯罪者と話せられたのに」
「私を尾行てたの?」
「まあまあ。これから食事でも行かないか?」
「質問に答えて。主人がいるのよ」
リーはワンをにらみつけた。
しばらく沈黙が続く。
「あなたは最近、全然私と会おうとしないじゃないか」
ワンが言った。
「もう心変わりしたのか?」
リーは黙り込んだ。
「二年前あなたは・・・」
「やめて・・・」
「夫がいなくなったのをきっかけに・・・」
「やめてって言ってるでしょ!」
「やっとあなたらしくなった」
ワンが微笑んだ。
リーはわからない顔をしている。
「そろそろ自分に正直になった方がいい・・・」
ワンはリーの顔を伺いながら話した。
「あなたの夫と私、どちらに付いていくのが幸せなのか・・・」
ワンの口調がさらに優しくなった。
「ゆっくりでいいんだよ。私はあなたをずっと待っているから」
リーは今にも泣き出しそうだった。
「行こうか・・・おいしいレストランを知っているんだ」
ワンの腕がリーの肩に周り、二人は歩き出した。
「大成はどうにもならないの?」
「いい知らせがあるんだ」
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