1人が本棚に入れています
本棚に追加
あれは一年前のこと…。
無差別殺傷未遂事件が事故の発端を招いた。
あるうつ病の男が商店街で男とは無関係な渚の命を落とそうとしたがたまたま僕は彼女を見かけ声よりも先に体が動き殺そうとした男を取り押さえることが出来た。
しかし渚は命を奪われかけた恐怖で精神的に大きく響き、声が発せなくなってしまったのだ。
救急車も到着してすぐ彼女を診てもらったが手の施しようがなく、もしかしたらもう治らないかもしれないと医者は言う。
あれから毎日のように、あの時遠回しにでも君を安心させてあげるべきだったのかと自分に問うことがある。
取り押さえたあと何も出来ずただ精神的なショックで気を失った君を神に願うように優しく抱きしめることしか出来なかった。
僕はこの日初めて自分を悔やみこんなにも君のことを想っていたことに気付いた。
最初のコメントを投稿しよう!