†プロローグ†

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物心ついた時からずっとそうだった。 貴族であるユミエラス家に産まれたアルク=ユミエラスには魔力が宿っていない事が分かった。 それはつまり貴族の、家の恥。 その為アルクは虐待を受け、愛を知らずに育ってきた。 暴力を振るうのはいつも実の父親。 魔力がないと分かるまで親子として接していた筈の母親と妹はアルクに会うことは無くなった。 毎日重労働を押し付けられ、食べ物も満足に貰えない生活の中でアルクは生きていた。 初めは『やめて』『殴らないで』と泣いていたが、それも無駄だとすぐに悟った。
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