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そうしてアルクとゼラスは美鈴の待っているところに戻ってきた。
美鈴「一体何を話してたんだ?」
ゼラス「ん?
いや、久しぶりに会ったから驚いてさ!!
思わずって感じかねぇ。」
美鈴「ほぉ、ちなみにアルクとゼラスは何処で一緒だったんだ?」
その言葉にゼラスはゲッという表情を作り冷や汗を流した。
先ほどの言葉で分かると思うが、ゼラスはアルクの事を隊長と呼んだ、つまりゼラスもギルド蒼天の守護者の一員なのだ。
そしてゼラスが蒼天の守護者に入っている事は学園、いや国の人間の中では有名な話だった。
何故ならギルドでのアルクは常に顔を仮面で隠しているので年齢が分からず世間ではゼラスが最年少でギルドに入隊している事になっているからだ。
その上ゼラスは顔も良し、性格も良い、腕も確かときていて女子生徒の半数からゼラスはよく声をかけられていた。
それだけでなく男子生徒もゼラスを嫌う訳でなくSクラスの生徒はよくゼラスに稽古を頼んだりしていた。
それがアルクとの会話にあった人目を浴びているという事である。
そしてアルクとゼラスは同じ隊でアルクはゼラスの上司に当たる存在である。
だから出会ったのはそこでなのだが、学園でのアルクはあくまでもギルドランクはB、流石にギルド蒼天の守護者に入る基準にも満ていない。
それなのにギルドで会いました~、等と言ったら大騒ぎになるだろう。
だからゼラスは返答に困っているのだ。
美鈴「どうしたんだ、ゼラス。何だか汗が凄いぞ?」
ゼラス「あ、いや、大丈夫大丈夫!!
それより何処で会ったかだっけ?
それは──」
そこまで言ったところで終始無言だったアルクから助け船が出た。
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