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アルク「………それはお互いに蒼聲石が欲しくてな、どうせなら一緒に行くか、と言うことなってそこで一緒に山に言ってからよく会うようになっただけだ。」
美鈴「蒼聲石……?
ああ、あのペンダント程度の大きさでも下級魔法一発分の魔力を蓄えられるあの石か、確かにあれは役に立つからな。」
どうやら今の話で通じた様だった。
ちなみに蒼聲石というのは、アクセサリー等装飾品に広く用いられる宝石の一種で美鈴の言ったとおり、ペンダント程度の大きさでも下級魔法一発程の魔力を溜めておける優れた石だ。
魔力を蓄えられる事が分かった時にかなりの量が採掘されたので最近はあまり入手が出来なくなったが、自分で山に採掘に行く人間も出るほど蒼聲石は便利な宝石なのだ。
美鈴「なるほど、2人がどうして出会ったか分かったよ、ありがとう。」
ゼラス「良いって良いって!
それより美鈴さん、さっき妹がって言ってたけどカノちゃんに何かあったの?」
美鈴「ああ、それはな、この前───」
美鈴がそう言いかけた時、アルク達の元に1人の少女が近づいてきた。
それは燃える炎様な美しい髪と瞳を持つ、カリン=ユミエラスだった。
カリン「美鈴先輩、今日……稽古に付き合ってくれませんか…?
今日は午前で授業も終わって時間なら多少ありますし……。」
ゼラス「お、カリンちゃんじゃん、おっす!!」
カリン「…………。
こんにちわ、ゼラス先輩。」
ゼラス「……やっぱカリンちゃん俺の事嫌ってんの?」
カリン「………別に、ただ貴方みたいな軽い人が美鈴さんより僅かでも強いなんて思えないからです。」
そう言うとカリンはゼラスを横目で睨んだ。
美鈴「カリン、失礼だぞ?
ゼラスだってちゃんと努力して今の強さがあるんだしそれを鼻にかけない明るくて良い奴じゃないか。」
カリン「こんな見た目も性格も軽い人が努力なんてしてる筈がありません!
才能に頼ってるだけに決まっています!」
そう言うとゼラスはアルク以外には見えない所で一瞬哀しい表情をした。
しかしすぐに笑顔に戻り
ゼラス「ハハハ、こりゃ本格的に嫌われてんな俺!!」
そう言ってのけた。
アルク「……………。」
ゼラスの一瞬沈んだ表情を見てアルクは言葉を発した。
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