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中3の夏、学校から帰ってくると玄関に見慣れない靴が1足綺麗に並べて置いてあった。
梓 「ただいまー。」
いつもは出迎えない母が玄関に来る。
お客さんがいるらしい。
母の格好ですぐわかる。
母親 「お帰り!
ちょっと来なさい。」
後について行く。
母親 「お待たせしました。」
部屋に入ると男の人がソファーに座っていた。
その人は私の顔を見るなりニコッと笑った。
その笑顔を見た時、胸がドキッとなった。
素敵な笑顔…。
相手の笑顔に釘付けになって、母が私に何か話かけているなんて気づきもしなかった。
耳に母の声が入らないほど釘付けになった。
母親 「全くすいません。」
??? 「くすっ。」
その人は今度は声を出して笑った。
それと同時に現実に戻され、恥ずかしくなって下を向いた。
母親 「こちらは来週から梓の家庭教師をしてくださる倉元真輔さん。」
梓 「へっ?」
家庭教師を頼んだなんて聞いてない。
真輔 「初めてまして。
よろしく。」
またあの笑顔。
ヤバいぐらい胸が高鳴った。
梓 「こ、こちらこそよろしくお願いします。」
ペコッとお辞儀をした。
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