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その3 兄
気がつくと目の前に兄の顔があり心配そうに有子の顔を覗き込んでいた。
「兄さん?」
恐怖がこみ上げてきてまるで子どもの様に有子は兄に泣きついた。
有子が落ち着くと有子の兄は有子のマンションについてからの経緯を話した合鍵で入り部屋の見回りをした後、ずっとそばにいてくれたと。
そして、不安そうな表情で妹に今どんなことが起きているか伝えた。
「結界を壊すなんてもう神と言ってもいいくらい強い霊だ。」
「神?」
「簡単に言えば神社とかに奉られている神のことだよ。」
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
神と呼んでもいい強い霊であるそんなものに命を狙われ有子は絶望を感じた。
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