〈Actionー1.HELL〉

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 リコルは頷く。二人の間に気まずい沈黙が流れ、風が吹く。 「……そっかぁ」  しかし、その沈黙はシナによって砕かれた。沈黙は、意外と脆かった。 「あの……僕──」 「いいよ? 言わなくてもいい。無理しちゃだめっ」  シナは知らない。リコルに何があったのか、リコルがどのような人間なのかを。  しかし、シナは知ろうとは思わない。自分にも、それなりの過去が存在しているから。 「じゃあさ、家に来なよっ!」  シナは手を取り歩きだす。多少強引ではあったが。 「えっ、あ、えぇぇ!?」  それに引っ張られる様にして、リコルも歩きだす。 「な、なんでいきなり……っ」 「うーん……リコルくんが可愛いからかな?」 「……え、えぇぇぇぇぇ!?」    
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