1話 始まりは、この街だった。

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  「あ、お帰り。 もう帰ってたのね。 買い出しお疲れ様。」 ほんわかした口調で微笑しながら雪下光浬(ユキシタヒカリ)はそう言った。 毛先がくせでくるっとしている彼女の黒髪が微かに揺れた。 彼女の大きな目は少したれ目で、喋り方と同様、優しさが滲み出ている。 名前に入っている雪という字のように、肌は真っ白だ。 .
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