15人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
新「あのなぁ、健。
俺もうすぐ引っ越すことになったから。」
健が小二の秋だった。
このときはじめて別れを経験した。
健「なんでなの?」
健は、たまらずに聞いた。
新「うちの親が転勤でさ。」
まだ子供の健には、分からなかった。
新「親の仕事の場所が変わるから、ついてかないといけないんだ。」
黙ってうなずく。
いつも助けてくれた、
いつもキャッチボールしてくれた、そんな兄貴がいなくなる。
健「それじゃあ、最後の日まで僕がピッチャーやってもいい?」
いつも黙って座っていた健が投げたいといったのだ。
新「しかたねぇな。
そのかわり、俺を認めさせてくれよな。」
最初のコメントを投稿しよう!