健のはじまり

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新「あのなぁ、健。 俺もうすぐ引っ越すことになったから。」 健が小二の秋だった。 このときはじめて別れを経験した。 健「なんでなの?」 健は、たまらずに聞いた。 新「うちの親が転勤でさ。」 まだ子供の健には、分からなかった。 新「親の仕事の場所が変わるから、ついてかないといけないんだ。」 黙ってうなずく。 いつも助けてくれた、 いつもキャッチボールしてくれた、そんな兄貴がいなくなる。 健「それじゃあ、最後の日まで僕がピッチャーやってもいい?」 いつも黙って座っていた健が投げたいといったのだ。  新「しかたねぇな。  そのかわり、俺を認めさせてくれよな。」
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