記憶

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「ミキー!サラー!何してんのー?」 ケイは大きな満開の桜の木の下で上を見上げている2人に駆け寄った。 「綺麗だね~…。」 ミキがボソッと言った。「だね~…。」 サラもボソッと言った。ケイはそれが可笑しくて思わず笑った。 「なんで笑うのよ。ねぇミキ。」 「そぉ~だよ!失礼だよ~!」 「ゴメンゴメン!だって2人とも、おばあちゃんみたいだったから。」 ケイはまだ笑いが止まらなかった。 「わーらーいーすーぎー!」 2人はケイの脇をくすぐった! 「アハハ!ごめんなさい!もう笑わないから。」「分かればよい!」 サラはくすぐるのを止めるとそう言った。ミキも隣で頷いた。ケイはそれを見てまた笑いそうになったが我慢した。 「それにしても、本当に綺麗だね。」 ケイは改めて桜を見上げた。 「ねぇケイ、ミキ。覚えてる?あの時の事。」 サラが不意に聞いてきた。 「谷川告白作戦!」 ミキは大きな声で叫んだ。 「覚えてた!?あれは爆笑だったよね!」 「うんうん!谷川がケイにマジ告白~!」 「私は、あんまりいい思い出じゃないなぁ…。」ケイは中学の頃、少し性格の変わった【谷川つぐむ】という男子にこの桜の木の下で告白された。
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