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店内に入ると、他のみんなが奥のテーブルで話をしていた。帽子かぶってジュースを飲んでる男の子がこっちに気づいて手を振った。
「あれってケンちゃん?」
「そぉーだよ。ケンイチ君だよ~。変わんないでしょ。」
「うん。すぐわかった。」ミキとケイは笑いながら手を振った。
「あっ!ちょっと御手洗い行ってくるね。」
ケイは急いでメイクをしに行った。化粧もバッチリ決めてテーブルにつくと、一通りみんなの顔を見つめた。懐かしい…。中学卒業以来だ。
「なに人の顔じーっとみてんだよ。なんかついてるか?」
ケンイチが聞いてきた。「別に、懐かしいなぁと思っただけ。てか、ケンちゃん元気してた?変わんないねぇ。」
ケイは少し皮肉ぽく言った。
「悪かったな。変わってなくて。どうせ俺はいつまでも童顔だよ!」
「ハハハ!自分でわかってんだね。」
そんな話をしていると横からサラが割り込んできた。
「だよね~。だから年上の先輩にも相手にされないんだよ。」
サラはケンちゃんとは同じ大学に行っているらしい。
「サラ!それは内緒だっていったろ!」
「なになに。ケンちゃんの好きな人?」
ミキも割り込んでくる。「ち、違うって!」
ケンちゃんは分かりやすい。すぐ顔が赤くなる。中学の頃と変わらない。
「おい、ケンイチ。バ・レ・バ・レ!」
ケンイチの隣に座っていたリュウジが軽く顔を叩きながら言った。みんなその発言と仕草に笑った。
「そういうリュウジ君は彼女いるの~?」
ミキが聞いた。
「ダメダメ!リュウジはとっかえひっかえして1人の彼女に落ち着いたことないもん。」
サラがリュウジの代わりに答えた。
「なにか問題でも?」
リュウジはおちゃらけて言った。
「やっぱりみんな変わってないね。」
ケイは何気なく言った。「そうだね~。リュウジ君は相変わらずの遊び人だし~、ケンイチ君は童顔だし~、サラはキレイなままだし~、ケイは~…可愛い!」
ミキはそう言うと抱きついてきた。
「ちょっ、ちょっと!どうしたの?」
ケイは驚いて、ミキを見た。ミキは泣いていた。「私~、こんなんだから~、絶対誰も友達出来ないと思ってたんだ。でも、ケイやサラ。それにリュウジ君やケンイチ君が友達になってくれてスッゴい嬉しくて~。また、こんな風に会えるなんて思ってなかったから…。」
みんな黙ってミキの話を聞いていた。
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