死線

再会

「ゴメンね。急に泣いちゃって。」
ミキは少し笑顔で言った。
「まぁ、あれだな。俺達はミキにとって最高の宝物ってわけだ。」
リュウジがいつもの口調で言った。
「うわ～。普通自分で言うかな？ねぇ、ケンちゃん。」
サラが少し呆れた顔で言った。ケンイチはクスクス笑っていた。
「なに笑ってんのよ。」
ケイは不思議に思いながら聞いた。
「いや、だって本当にみんな変わってなくてさー。リュウジがなんか言うといつもサラがつっこんでたろ？それがまた見れて、なんかおかしくて。」
するとミキやサラ、リュウジまで笑いだした。ケイもつられて笑っていた。しかしその笑顔も一瞬で消えた。
「………！？」
ケイはまたあの嫌な視線を感じたのだ。今度はハッキリと。振り返る勇気はなかった。むしろ、振り返ってはいけない気がした。
「ケイ？どした？」
ケンイチが心配そうに聞いてきた。
「…ん？何でもない。」ケイは何もなかったかのように話題を変えた。
「んじゃ～、そろそろ行きますか！我らの母校へ！」
「おーっ！」
そう言うとみんなで一斉に立ち上がった。