機械型ウイルス

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男がパソコンに向けて怒りをぶつけたのはほんの一瞬の刹那 パソコンが突如、光を放ち出したかと思うとあっという間に男はその光に飲み込まれてしまった。 「うわっ!何だこりゃ!?」 光に包まれた彼を待っていたのは 白に埋め尽くされた何も無い虚無の空間。 男は一瞬だけその世界を認識した… 確かに この時は一瞬だけ【認識】出来た だが 虚無の世界に触れ自分の意識を確かに感じられたのは、ほんの数秒感だけであった。 光に包まれて僅かの時間で、先程まで健康そのものであった男は床に力無く倒れこんだ。 何があったのかすらも理解出来ずに、男は自分の意識とは別に重力にあがらえなくなり力無く体は崩れ落ちる。 いや… 意識とは逆…と言うよりは… この時、男に既に自我と云う物は存在していなかった… パソコンの光に包まれた…当てられただけだというのに たったそれだけの事だというのに男が再び元気に歩き回る事は― 二度と無かった。
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