最初の犠牲

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林隼人は朝、妻と子供の声で起きた。 「パパはお寝坊さん!彩は一人で起きたよ!」 彩は誇らしげに言うと、隼人は子供に笑顔を向けた。 「そっかー偉いぞ。彩」 と頭を撫でたら彩は更に笑顔になった。と妻のクスクス笑う声が聞えて、お味噌汁を置いた。 「彩。隼人食べましょ」 「あぁ。分かった」 「分かったよー。ママ」 食卓についていただきます。と言って朝ご飯を食べた。 「あっ美樹今日は遅くなりそう」 「あら。分かった。ね、安西勝彦って知ってる?」 美樹は急に話題を変えた。妻が話題を変えるのは理由があるからだ。 「勝彦がどうしたの?」 隼人と勝彦は幼馴染みで優等生の隼人とやんちゃな勝彦はアンバランスだが男女共に人気が高かった。2人が美形が理由も最大の特長だったりもする。 「今朝、亡くなったらしいの…友達がその現場を見たから…もしかして、と思って…」 隼人は急いでテレビを付けると、女性ニュースキャスターがそれを伝えていた。 『今日未明会社員安西勝彦さん(22)の首を吊って死亡しているのが見つかりました』 顔写真も公開され、顔は確かに勝彦だ。 『遺書も見つかっており、警察は自殺と見て、自殺の原因を調べています。』 と女性ニュースキャスターは冷静に言った。
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