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教室に入るなりゴミをからかった。
「くっさぁ~。生ゴミ臭いよ!!」
「ひゃはは~。美雪朝からスパートかけるな~。」
私はゴミと同じクラスだった。ゴミをいじめたきっかけは何だったのだろう。ほんと些細な理由じゃないかと思う。何かの拍子にあの子をからかって、その内にゴミというあだ名がついて………。私はいじめの主犯格だ。自覚はある。エスカレートしていく自分に怖さがあった。けれど止めることによって私の周りから人が離れてゆくのがもっと怖かった。恐怖がゴミへのいじめを加速させた。アクセルを踏みっぱなしでブレーキのない車が高速道路を走っている感覚のようだ。その先に何があるのかな?
ゴミが死ぬなんて芥も考えていなかった。死なんて少なくとも私の周りには関係のない出来事だって思ったから。
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